テクノロジーの発展とともに、「インターフェース」は重要な課題になった。デジタルスクリーンだけではなく、日常生活のあらゆるシーンが、私たちが直面する「インターフェース」だと考えている。デジタルスクリーンと日常生活とでは対象が異なるが、「認知」という行為は通じている。
対象に対する認知の仕組みは、既に認知科学、生態心理学、UI・UXデザインなど、様々なジャンルで研究されている。しかし、多くの議論は既知の認知の整理・収集に終始している。認知は生活のほぼすべての瞬間に起こるため、潜在的な研究材料は非常に広い。だから具体的に何を研究するかという議論に移る前に、生活を注意深く観察し、認知の裏で無意識下に起こっている自分の思考に向き合うことが、研究の基礎となる重要な一歩だと考えた。したがって、認知をどう収集するかに重点を置いた。
「スケッチ」という方法が参考になった。通常スケッチとは、描く人が画像情報を頭の中で一度解釈し,それを画像として紙の上に再現したものである。認知の記録の仕方として、紙に限らない形でのスケッチという手法を選んだ。従って本研究では、スケッチというコンセプトに基づいて、生活の中に見過ごされがちな小さな認知現象を観察し、個々の実験作品に仕上げる。作品自体の深さよりも、認知現象を発見することを重視し、できる限りシンプルな作品にして、その現象にクローズアップできるように心がけた。認知をスケッチする際の意識のあり方の違いによって、以下の三つのステージに分けた。
1.観察: 現象をそのままスケッチすること。
2.疑問: 現象に思考・疑問を持つこと。
3.拡張: 現象をもとに実験し、可能性を探ること。
卒業制作の時点では、認知のスケッチを15点ほど選んで掲載した。本研究は、認知のスケッチという概念を通じて、まだ気づかれていない認知現象を発見、蓄積する方法を実践した。制作行為を通して、認知のイメージや問題が広がっていく、ものの見方が示唆される。そして認知というトピックの探求だけでなく、既存のデジタル表現を認知の観点から考え直す探求でもある。
よくあるパターン
情報マッピング
補完
方向性
アフォダンス
